【ユーザの行為により物の発明に係る特許権の直接侵害品が完成する場合がある事例において、直接侵害を否定し、特許法101条2号の間接侵害の成立を認めた事例】
投稿日:2026年8月29日 |
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著者:弁護士 木村 広行
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参照条文/キーワード/論点 |
特許法101条2号/課題の解決に不可欠なもの/主観的要件 |
ポイント
※原判決は、ユーザの行為により物の発明に係る特許権の直接侵害品(すなわち実施品)が完成する場合であっても,そのための全ての構成部材を製造,販売する行為が,直接侵害行為と同視すべき場合があることは否定できないとしつつも、直接侵害行為と同視すべきものと評価し得るには、ユーザが当然に予定された行為をしてそれを組み合わせるなどすれば,必ず発明の技術的範囲に属する直接侵害品が完成するものである必要がある旨判示したうえ、本件については、ユーザの行為によって直接侵害品が完成するかどうかが左右されるような場合に該当するといわざるを得ないとして、直接侵害の成立を否定する判断を示し、本判決はかかる判断を引用した。 |
判決概要 |
| 裁判所 | 知的財産高等裁判所第4部 |
| 判決言渡日 | 令和4年8月8日 |
| 事件番号 | 平成31年(ネ)第10007号 |
| 事件名 | 特許権侵害差止等請求控訴事件 |
| 裁判長裁判官
裁判官 裁判官 |
菅野 雅之
本吉 弘行 中村 恭 |
事案の概要
⑴ 本件特許権
特許番号 特許第3700528号
発明の名称 プログラマブル・コントローラにおける異常発生時にラダー回路を表示する装置
出願日 平成12年3月31日
登録日 平成17年7月22日
⑵ 本件発明1(訂正後の本件特許権の請求項1の発明)
1A 機械・装置・設備等の制御対象を制御するプログラマブル・コントローラにおいて用いられる表示装置であって,
1B’ 前記制御対象の異常現象の発生をモニタするプログラムであって、当該異常現象が発生したのに対応して、前記プログラマブル・コントローラの対応するアドレスのデータが変化したことを認識するプログラムと,
1C そのプログラムで異常現象の発生がモニタされたときにモニタされた異常現象に対応する異常種類を表示する手段と,
1D 表示された1又は複数の異常種類から1の異常種類に係る異常名称をタッチして指定するタッチパネルと,
1E 異常種類が当該タッチにより指定されたときにその指定された異常種類に対応する異常現象の発生をモニタしたラダー回路を表示する手段と,を有し,
1F 前記ラダー回路を表示する手段は,表示されたラダー回路の入出力要素のいずれかをタッチして指定する前記タッチパネルと,表示されたラダー回路の入力要素が当該タッチにより指定されたときにその入力要素を出力要素とするラダー回路を検索して表示し,表示されたラダー回路の出力要素が当該タッチにより指定されたときにその出力要素を入力要素とするラダー回路を検索して表示する手段を含む
1G ことを特徴とする表示装置。
争点
(その他の争点については省略)
判旨
ア 「生産に用いる物」について
前記1において判示したところによれば、被告表示器Aや被告製品3は本件特許権1の直接侵害品(実施品)の「生産に用いる物」に当たると認められるが、本件では、これらが本件発明1による「課題の解決に不可欠なもの」(課題解決不可欠品)に当たるか否かが争いとなっている。
イ 「発明による課題の解決に不可欠なもの」について
(ア)課題解決不可欠品の意義
特許法101条2号において、その生産、譲渡等を侵害行為とみなす物を「発明による課題の解決に不可欠なもの」とした趣旨は、同号が対象とする物が、侵害用途のみならず非侵害用途にも用いることができるものであることから、特許権の効力の不当な拡張にならないよう、譲渡等の行為を侵害行為とみなす物(間接侵害品)を、発明という観点から見て重要な部品、道具、原料等(以下「部品等」という。)に限定する点にあり、そのために、単に「発明の実施に不可欠なもの」ではなく、「発明による課題の解決に不可欠なもの」と規定されていると解される。この趣旨に照らせば、「発明による課題の解決に不可欠なもの」(課題解決不可欠品)とは、それを用いることにより初めて「発明の解決しようとする課題」が解決されるような部品等、換言すれば、従来技術の問題点を解決するための方法として、当該発明が新たに開示する特徴的技術手段について、当該手段を特徴付けている特有の構成等を直接もたらす特徴的な部品等が、これに該当するものと解するのが相当である。
(イ)本件発明1の特徴的技術手段について
a 本件発明1の課題及び課題解決手段について
前記(ア)の観点から、本件発明1において、従来技術の問題点を解決するための方法として新たに開示する特徴的技術手段を検討すると、前記1⑴によれば、本件明細書1では、本件発明1は、プログラマブル・コントローラにおいて用いられる表示装置において、①異常表示をもたらしたラダー回路を探すのに、保守担当者が従来のラダー回路図を参照する方法では多大の時間を要すること、②真の異常原因を特定するためにいくつかのラダー回路図を探すのでは長い時間を浪費しやすいことという課題について、異常種類がタッチにより指定されたときにその指定された異常種類に対応する異常現象の発生をモニタしたラダー回路を表示する手段を有するものとすること(構成要件1D及び1E)によって、上記①の課題を解決するものとし、ラダー回路を表示する手段が、表示されたラダー回路の入出力要素のいずれかをタッチして指定するタッチパネルと、表示されたラダー回路の入力要素がタッチにより指定されたときにその入力要素を出力要素とするラダー回路を検索して表示し、表示されたラダー回路の出力要素がタッチにより指定されたときにその出力要素を入力要素とするラダー回路を検索して表示する手段を含むものとすること(構成要件1F)によって、上記②の課題を解決するものとしたことが認められる。
b 従来技術について
ここで、本件特許1の出願前に頒布された刊行物であると認めることのできる「三菱グラフィックオペレーションターミナルMELSEC-GOT900シリーズのカタログ」(乙1。以下「乙1文献」という。)の記載(8頁、14頁、25頁)、「三菱グラフィックオペレーションターミナルGOT MELSEC オペレーティングマニュアル」(乙2。以下「乙2文献」という。)の記載(6-16頁ないし6-17頁)及び「三菱グラフィックオペレーションターミナルGOT MELSEC オペレーティングマニュアル(拡張機能・オプション機能編)」(乙3。以下「乙3文献」という。)の記載(1-10頁ないし1-11頁、6-4頁ないし6-6頁、6-7頁)によると、表示された複数種類のメッセージを指で反転表示させ、タッチキーを選択すると、エラーが発生したデバイスを検索した状態で回路モニタ機能が起動され、検索されたデバイスを含む回路ブロックのみが表示される回路モニタ機能を有し、当該回路モニタ機能は、タッチキーをタッチにより指定し、入力画面においてデバイス名又はデバイス番号を入力することにより、読み出した検索デバイスを含む回路ブロックが表示されるコイル検索と、タッチキーをタッチにより指定し、入力画面においてデバイス名又はデバイス番号を入力することにより、読み出した検索デバイスを含む回路ブロックが表示される接点検索ができる製品が開示されていると認められる。
また、「MELSEC QnA カタログ」(乙20。以下「乙20文献」という。)の記載(2枚目、3枚目)によると、ラダー回路図上のコイル又は接点にカーソルを移動して指定すると、デバイスの接点又はコイルの位置にカーソルが移動するラダー回路編集装置が開示されていることが認められる。
さらに、「特開平6-195111号公報」(乙29。以下「乙29文献」という。)の記載(【0001】、【0014】ないし【0016】、【図2】、【図3】)によると、異常現象が発生した場合に、表示されたラダー回路の入力要素をタッチすることにより、その入力要素を出力要素とするラダー回路が表示される監視装置が開示されているものと認められる。
c 検討
前記bの従来技術に照らすと、本件発明1は、乙1文献ないし乙3文献の装置に対しては、入力要素又は出力要素の検索がタッチ検索である点が異なり、乙20文献の装置に対しては、コイル検索又は接点検索がタッチ検索で、かつ、異常現象が発生した場合に検索を行う点が異なり、乙29文献の装置に対しては、出力要素を入力要素とするタッチ検索ができる点で異なる。これらの点に鑑みると、本件発明1の「異常種類が当該タッチにより指定されたときにその指定された異常種類に対応する異常現象の発生をモニタしたラダー回路を表示する手段」(構成要件1E)が「表示されたラダー回路の入…力要素…をタッチして指定するタッチパネルと、表示されたラダー回路の入力要素が当該タッチにより指定されたときにその入力要素を出力要素とするラダー回路を検索して表示」(コイル検索)する構成は、従来技術にすぎないと認められ、本件発明1が新たに開示する特徴的技術手段は、「異常種類が当該タッチにより指定されたときにその指定された異常種類に対応する異常現象の発生をモニタしたラダー回路を表示する手段」(構成要件1E)が「表示されたラダー回路の…出力要素…をタッチして指定するタッチパネルと、表示されたラダー回路の出力要素が当該タッチにより指定されたときにその出力要素を入力要素とするラダー回路を検索して表示」(接点検索)する構成(以下「異常発生時におけるタッチによる接点検索」ということがある。)であると認められる。
(ウ)特徴的な部品等
前記(ア)のとおり、特許法101条2号は、間接侵害品を当該発明の特徴的部分を特徴付ける特有の構成等を直接もたらす特徴的な部品等に限定していると解されるが、「部品等」の範囲は、物理的又は機能的な一体性を有するか否かを社会的経済的な側面からの観察を含めて決定されるべきものであり、ある部材が既存の部品等であっても、当該発明の課題解決に供する部品等として用いるためのものとして製造販売等がされているような場合には、当該部材もまた当該発明による課題の解決に不可欠なものに該当すると解すべきものである。なぜならば、特徴的な部品等といえども公知の部品等が組み合わせられているにすぎない場合が多いところ、一体性を有するものも形式的に分離できるのであれば直ちに間接侵害の適用が排除されるとすると、間接侵害の規定が及ぶ範囲を極度に限定することとなり、特許法が間接侵害を特許権侵害とみなして特許権の保護を認めた趣旨に著しく反することになるからである。
(エ)被告製品3について
被告製品3は、拡張/オプション機能OSのうちの回路モニタ機能等部分を格納しており、これが被告表示器Aにインストールされることによって、被告表示器Aにおいて回路モニタ機能等の使用が可能となるものである。そして、被告製品3の回路モニタ機能等部分とこれを除く他の部分とは、物理的にかつ機能的にも一体性を有するものと認められる。
そうすると、被告製品3は、全体として、本件発明1の特徴的技術手段を直接もたらす特徴的部品であると認められる。
したがって、被告製品3は本件発明1の課題解決不可欠品に当たる。
(オ)被告表示器Aについて
本件発明1が新たに開示する特徴的技術手段である、異常発生時のタッチによる接点検索との構成は、被告表示器Aと被告製品3の双方があって初めて実現し得る構成である。そして、一審被告が自認するとおり、回路モニタ機能等を実現するために被告表示器AにインストールできるOSは被告製品3のみであり、同機能の実現のために被告製品3がインストールできる表示器は被告表示器Aのみであるから(甲5、8)、上記構成を実現するように被告表示器Aが機能し得るのは、被告製品3のOSがインストールされた場合であり、かつ、その場合に限る。その上、被告表示器Aと被告製品3は、いずれも一審被告が生産、販売するものであり、一審被告は上記のような構成を熟知し、あえてこのような構成を選択し、かつ、顧客に両者を提供しているものといえる。
以上からすると、被告表示器Aと被告製品3とは、たまたま物理的に別個の製品とされたことにより、一つの機能が複数の部品に分属させられているものの、本来的には、被告表示器Aは、被告製品3と機能的一体不可分の関係にあるものであって、独立した製品とされていたとしても、本件発明1の特徴的技術手段を直接もたらす特徴的部品等を構成するものであるというべきである。
したがって、被告表示器Aは本件発明1の課題解決不可欠品である。
・・・
ウ 汎用品該当性について
被告表示器A及び被告製品3の機能等に照らせば、被告表示器A及び被告製品3が日本国内において広く一般に流通しているものに当たると認めることはできない。
この点に関連し、一審被告は、引用に係る原判決第3の2(被告の主張)⑶ウ(イ)(本判決第2の4⑹において補正されたもの)のとおり、回路モニタ機能は、異常の発生とは独立した機能であり、アラームリスト機能を経由せずにラダー回路が表示されている状態でも使用することができるから、この機能は汎用的な機能として提供されている旨主張する。
しかし、特許法101条2号が「日本国内において広く一般に流通しているもの」を間接侵害の対象物から除く趣旨は、市場において一般に入手可能な状態にある規格品や普及品まで間接侵害の対象とするのでは取引の安定性の確保の観点から好ましくないとの点にあるところ、被告表示器A及び被告製品3がそのような規格品、普及品であるとは認められないから、回路モニタ機能が汎用的な機能であったとしても、被告表示器A及び被告製品3が汎用品に該当することはない。
したがって、一審被告の上記主張を踏まえても、上記認定は左右されない。
・・・
オ 主観的要件について
・・・
(ウ)主観的要件②について
a 一審被告は、被告表示器A及び被告製品3には本件発明1を実施しない実用的な用途が存在しており、また基本的に販売代理店に対して被告表示器A及び被告製品3を販売しているにすぎないから、被告表示器A及び被告製品3がユーザの下で本件発明1の実施に用いられることを知らないと主張している。
b まず、どのような場合に主観的要件②を満たすものと考えるべきか、すなわち、適法な用途にも使用することができる物の生産、譲渡等が「発明の実施に用いられることを知りながら」したといえるのはどのような場合かについて検討する。
特許法101条2号の間接侵害は、適法な用途にも使用することができる物(多用途品)の生産、譲渡等を間接侵害と位置付けたものであるが、その成立要件として、主観的要件②を必要としたのは、対象品(部品等)が適法な用途に使用されるか、特許権を侵害する用途ないし態様で使用されるかは、個々の使用者(ユーザ)の判断に委ねられていることから、当該物の生産、譲渡等をしようとする者にその点についてまで注意義務を負わせることは酷であり、取引の安全を著しく欠くおそれがあることから、いたずらに間接侵害が成立する範囲が拡大しないように配慮する趣旨と解される。
このような趣旨に照らせば、単に当該部品等が特許権を侵害する用途ないし態様で使用される一般的可能性があり、ある部品等の生産、譲渡等をした者において、そのような一般的可能性があることを認識、認容していただけで、主観的要件②を満たすと解するのでは、主観的要件②によって多用途品の取引の安全に配慮することとした趣旨を軽視することになり相当でなく、これを満たすためには、一般的可能性を超えて、当該部品等の譲渡等により特許権侵害が惹起される蓋然性が高い状況が現実にあり、そのことを当該部品等の生産、譲渡等をした者において認識、認容していることを要すると解するべきである。
他方、主観的要件②について、部品等の生産、譲渡等をする者において、当該部品等の個々の生産、譲渡等の行為の際に、当該部品等が個々の譲渡先等で現実に特許発明の実施に用いられることの認識を必要とすると解するのでは、当該部品等の譲渡等により特許権侵害が惹起される蓋然性が高い状況が現実にあることを認識、認容している場合でも、個別の譲渡先等の用途を現実に認識していない限り特許権の効力が及ばないこととなり、直接侵害につながる蓋然性の高い予備的行為に特許権の効力を及ぼすとの特許法101条2号のそもそもの趣旨に沿わないと解される。
以上を勘案すると、主観的要件②が認められるためには、当該部品等の性質、その客観的利用状況、提供方法等に照らし、当該部品等を購入等する者のうち例外的とはいえない範囲の者が当該製品を特許権侵害に利用する蓋然性が高い状況が現に存在し、部品等の生産、譲渡等をする者において、そのことを認識、認容していることを要し、またそれで足りると解するのが相当であり、このように解することは、「その物がその発明の実施に用いられることを知りながら」との文言に照らしても、不合理とはいえない。
c これを本件についてみると、前記エのとおり、被告表示器A又は被告製品3を購入等するユーザのうち例外的とはいえない範囲の者が本件特許権1の直接侵害品の生産をする高度の蓋然性がある状況が現に存在すると認められ、前記エにて説示する事実関係からみて、被告表示器A及び被告製品3を生産、譲渡等している一審被告がその事実関係を知らないはずはないから、一審被告は、もその状況を認識、認容しながら被告表示器A及び被告製品3の生産、譲渡等を行ったと認めることができる。
d 一審被告の主張について
一審被告は、引用に係る原判決第3の2(被告の主張)⑶ウ(本判決前記第2の4⑹で補正されたもの)のとおり、悪意を否定する根拠として、被告製品3を販売代理店を通じて販売していたことを指摘しているが、そうであるとしても、そのことは、一審被告が個々のユーザの実際の用途を具体的に知らないということを推認させるにとどまるのであって、一審被告が間接侵害品と認められる被告表示器A又は被告製品3を生産、譲渡等するに当たり、被告表示器A又は被告製品3を購入等するユーザのうち例外的とはいえない範囲の者が当該製品を特許権侵害に利用する蓋然性が高いことを認識、認容していたとの前記認定を左右しない。
なお、一審被告は、同⑶イ(本判決前記第2の4⑹で補正されたもの)のとおり、本件では訂正前発明1に係る訂正前の発明は従来技術そのものであり、それとの関係ではいかなる物も課題解決不可欠品に該当することはあり得ないから、間接侵害が成立する余地はないと主張する。この主張は、主観的要件②を満たすためには、当該製品が「その発明による課題の解決に不可欠なもの」であることの認識を必要とするとの趣旨と解される。しかし、上記のとおり、特許法101条2号において主観的要件②が必要とされる趣旨が、対象品(部品等)が適法な用途にも使用されるものであることから、その生産、譲渡等をしようとする者の取引の安全を図る点にあることからすると、当該製品が侵害用途に用いられることについて上記の意味での悪意であれば足り、それが「その発明による課題の解決に不可欠なもの」であることの認識までは要しないと解するのが相当である。したがって、一審被告の上記主張は採用することができない。
e 以上によれば、一審被告は、被告表示器A及び被告製品3が本件発明1の実施に用いられることを知りながら、その生産、譲渡等をし、また、被告製品3に係るコンピュータ・プログラムを使用許諾(プログラムにおいては、使用許諾が貸渡しに当たると解される。)したと認められる。
カ 小括
したがって、一審被告による平成25年4月2日以降の被告表示器A及び被告製品3の生産、譲渡等について特許法101条2号の間接侵害が成立する。
解説/検討
本判決は、原判決を引用して、ユーザの行為により物の発明に係る特許権の直接侵害品(すなわち実施品)が完成する場合において,そのための全ての構成部材を製造,販売する行為が,直接侵害行為と同視すべきものと評価し得るには、ユーザが当然に予定された行為をしてそれを組み合わせるなどすれば,必ず発明の技術的範囲に属する直接侵害品が完成するものである必要がある旨判断しており参考になる。また、本判決は、特許法101条2号の間接侵害の要件「発明による課題の解決に不可欠なもの」、「発明の実施に用いられることを知りながら」の解釈と事例のあてはめが参考になる。
