【拒絶審決に対する審決取消訴訟である。サブコンビネーション発明における要旨認定が争点となったが、審決は維持された】
投稿日:2026年8月29日 |
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著者:弁理士 松野 知紘
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参照条文/キーワード/論点 |
29条2項/サブコンビネーション発明/要旨認定/進歩性 |
ポイント
※本願補正発明はサーバと情報を送受信する発明であり、クレーム中にサーバが行う処理が特定されていた。判決では、サーバが独自に行う処理を情報処理装置の発明特定事項とはみなさず除外して本願補正発明の要旨を認定した上で、本願補正発明の進歩性を否定した。 |
判決概要 |
| 裁判所 | 知的財産高等裁判所第3部 |
| 判決言渡日 | 令和4年2月10日 |
| 事件番号 | 令和3年(行ケ)第10056号 |
| 事件名 | 審決取消請求事件 |
| 裁判長裁判官
裁判官 裁判官 |
東海林 保
植田 卓哉 都野 道紀 |
事案の概要
原告が、名称を「情報処理装置及び方法,並びにプログラム」とする発明の特許出願(特願2016-67886)をしたところ、拒絶査定を受けたので拒絶査定不服審判を請求するとともに特許請求の範囲等につき手続補正をしたが、「本件審判の請求は、成り立たない。」との審決がなされたので、原告は本件審決の取消しを求めて本訴を提起した。
1 特許請求の範囲の記載(本件補正後発明、下線付加)
(A)第1ユーザによって操作される情報処理装置であって,
(B)事業に使用されていないが前記第1ユーザが活用を希望する知的財産権を,前記第1ユーザが保有する1以上の知的財産権の中から特定し,当該知的財産権に関する公報の情報を,サーバによる第2情報及び第3情報の抽出の根拠となる情報を含む第1情報として,前記サーバに通知する公報通知手段と,
(C)前記サーバにおいて,
(C1)前記公報通知手段により通知された前記第1情報により特定される前記公報に含まれ得る第1書類の内容のうち,所定の文字,図形,記号,又はそれらの結合が,前記第2情報として抽出され,
(C2)当該公報に含まれ得る第2書類の内容のうち,抽出された前記第2情報と関連する文字,図形,記号又はそれらの結合が,前記第3情報として抽出され,
(C3)所定の文字,図形,記号,又はそれらの結合を第4情報として予め登録している複数の第2ユーザのうち,抽出された前記第3情報と関連のある第4情報を登録した者が,通知対象者として決定され,
(C4)当該通知対象者の端末に対して,当該知的財産権に関する情報が第5情報として通知され,
(C5)当該通知対象者の端末から,当該第5情報に関する当該知的財産権に対して当該通知対象者が興味を有する旨の第6情報が取得されて,
(C6)当該第6情報に基づいて,前記複数の第2ユーザの中に当該知的財産権に興味を有する者が存在することを少なくとも示す情報が,第7情報として生成され,
(C7)前記情報処理装置により前記第1情報が通知された結果として生成された当該第7情報が,当該情報処理装置に送信された場合において,
(D)当該第7情報を受付ける受付手段と,
(E)を備える情報処理装置。


2 本件審決の理由の要旨
本件補正後発明は,引用発明及び本願出願前周知の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,本件補正は,独立特許要件を欠き,却下すべきである。
そして,本願発明は,本件補正により付加された発明特定事項(上記2の下線部)を有しないから,引用発明との相違点(上記⑷)はなく,新規性を欠き,特許を受けることができない。したがって,本願は,請求項2以下に係る発明について検討するまでもなく,拒絶すべきである。
3 原告の主張する審決取消事由
⑴ 取消事由1(本件補正後発明の認定の誤り)
「知財高裁平成22年(行ケ)第10056号事件の判決に本件を当て嵌めても,本件補正後発明の認定に当たり,サーバの存在を除外して検討するのは誤りである。」
⑵ 取消事由2(一致点,相違点の認定の誤り)
⑶ 取消事由3(容易想到性の判断の誤り)
4 裁判所の判断
以上によれば,本件補正後発明は,…その課題の解決手段として,情報処理装置とサーバとを組み合わせたシステムを活用し,情報処理装置から知的財産権に関する公報の情報(第1情報)の通知(送信)を受けたサーバが,第1情報から第2情報を抽出し,さらに第3情報を抽出し,第3情報と第4情報とから通知対象を決定して当該公報の情報を第5情報として通知対象者の端末に通知し,その後,通知対象者の端末から,当該知的財産権に対して当該通知対象者が興味を有する旨の第6情報を受信し,それを基に知的財産権に興味を有する者が存在することを少なくとも示す情報(興味を有する通知対象者のリストなど)である第7情報を生成して,これを情報処理装置に送信するという,二つ以上の装置を組み合わせてなる全体装置の発明に対し,それに組み合わされる情報処理装置の発明(以下「サブコンビネーション発明」という。)であると認められる。
3 取消事由1(本件補正後発明の認定の誤り)について
…
⑴ 発明の要旨認定
特許出願に係る発明の要旨の認定は,特段の事情がない限り,願書に添付した明細書の特許請求の範囲の記載に基づいてされるべきであるが,特許請求の範囲の記載の技術的意義が一義的に明確に理解することができないとか,あるいは,一見してその記載が誤記であることが発明の詳細な説明の記載に照らして明らかであるなどの特段の事情がある場合は,明細書の発明の詳細な説明の記載を参酌することが許される(最高裁平成3年3月8日第二小法廷判決・民集45巻3号123頁参照)。
これを本件補正後発明について検討するに,前記1⑶のとおり,本件補正後発明は,二つ以上の装置を組み合わせてなる全体装置の発明に対し,組み合わされる各装置の発明(サブコンビネーション発明)であって,特許請求の範囲請求項1の記載から,第1ユーザによって操作される情報処理装置に関する発明であることが理解されるが,特許請求の範囲請求項1の記載中に,情報処理装置とは別の,他の装置であるサーバにおける処理の内容が記載されているため,特許請求の範囲の記載の技術的意義を一義的に明確に理解することができない特段の事情がある。
したがって,本願明細書の発明の詳細な説明の記載を参酌して,本件補正後発明の要旨を認定することとする。
ところで,サブコンビネーション発明においては,特許請求の範囲の請求項中に記載された「他の装置」に関する事項が,形状,構造,構成要素,組成,作用,機能,性質,特性,行為又は動作,用途等(以下「構造,機能等」という。)の観点から当該請求項に係る発明の特定にどのような意味を有するかを把握して当該発明の要旨を認定する必要があるところ,「他の装置」に関する事項が当該「他の装置」のみを特定する事項であって,当該請求項に係る発明の構造,機能等を何ら特定してない場合は,「他の装置」に関する事項は,当該請求項に係る発明を特定するために意味を有しないことになるから,これを除外して当該請求項に係る発明の要旨を認定することが相当であるというべきである。
以上の観点から,以下,本件補正後発明を検討する。
特許請求の範囲請求項1の記載によれば,構成要件(B)における「事業に使用されていないが前記第1ユーザが活用を希望する知的財産権を,前記第1ユーザが保有する1以上の知的財産権の中から特定し,当該知的財産権に関する公報の情報を,前記サーバに通知する公報通知手段と」の記載は,情報処理装置が有する公報通知手段を直接的に特定する構成であるといえる。
一方,「(公報の情報を,)サーバによる第2情報及び第3情報の抽出の根拠となる情報を含む第1情報として(,前記サーバに通知する)」との記載は,サーバに通知する公報の情報を更に限定する記載であると認めることはできるが,サーバによって抽出処理を行うことを前提とした限定であって直接的に情報処理装置を限定する特定事項ではない。
…
このように,本件補正後発明の構成要件(B)のうち「サーバによる第2情報及び第3情報の抽出の根拠となる情報を含む第1情報として」の記載事項は,サーバの処理を特定したものであり,情報処理装置が備える公報通知手段の内容を特定するものではないから,構成要件(B)によって特定される発明特定事項の認定に当たっては,上記記載事項を除外するのが相当であり,本件審決が(B')のとおり認定したことに誤りはない。
本件補正後発明の構成要件(C)及び(C1)ないし(C7)は,情報処理装置から知的財産権に関する公報の情報(第1情報)の通知(送信)を受けたサーバが,第1情報から第2情報を抽出し,さらに第3情報を抽出し,第3情報と第4情報とから通知対象を決定して当該公報の情報を第5情報として通知対象者の端末に通知し,その後,通知対象者の端末から第6情報を受信し第7情報を生成して情報処理装置に送信するという,サーバが行う処理を特定したものであって,情報処理装置が行う処理を特定するものではない。すなわち,情報処理装置から通知された情報に対して,どのような処理を行い,どのような情報を生成して情報処理装置に送信するかという処理は,サーバが独自に行う処理であって,情報処理装置が行う処理に影響を及ぼすものではない。
一方,情報処理装置は,第1情報をサーバに送信し,第7情報をサーバから受信するものであるところ,かかる情報処置装置の機能は,サーバに所定の情報を送信してサーバから所定の情報を受信するという機能に留まり,当該機能は,上記構成要件(C)及び(C1)ないし(C7)によって影響を受けたり制約されるものではない。このように,構成要件(C)及び(C1)ないし(C7)は,情報処理装置の機能,作用を何ら特定するものではない。
よって,本件補正後発明の認定に当たっては,構成要件(C)及び(C1)ないし(C7)を発明特定事項とはみなさずに本件補正後発明の要旨を認定すべきであり,これと同旨の本件審決に誤りはない。
本件補正後発明の構成要件(D)は,情報処理装置が備える「受付手段」が,サーバから送信される「第7情報」を受け付けることを特定するものである。
そして,本件補正後発明の構成要件(C)及び(C1)ないし(C7)の記載によれば,「第7情報」は,「知的財産権に興味を有する者が存在することを少なくとも示す情報」であって,「情報処理装置により前記第1情報が(サーバに)通知された結果として生成され」,「(サーバから)情報処理装置に送信された」情報である。また,同(B)の記載によれば,「前記第1情報」は「知的財産権に関する公報の情報」である。そして,構成要件(C6)及び(C7)に対応する発明の詳細な説明の記載(段落【0029】,【0040】及び【0041】)も参酌すると,「第7情報」は,サーバの通知部が特許権者端末に通知する情報であって,特許権者がサーバに登録した特許掲載公報を見て興味応答を示した事業者のリスト(匿名事業者リスト)を少なくとも含む情報であるということができ,これは,上記特許請求の範囲の記載から特定した「第7情報」と格別の相違はない。そうすると,結局,「第7情報」は,「知的財産権に興味を有する者が存在することを少なくとも示す情報であって,情報処理装置により知的財産権に関する公報の情報がサーバに通知された結果として生成され,サーバから情報処理装置に送信された情報」ということができる。
よって,本件補正後発明の構成要件(D)により特定される事項の認定に当たっては,「第7情報」を上記のとおり言い換えるのが相当であり,本件審決が(D')のとおり認定したことに誤りはない。
(A)第1ユーザによって操作される情報処理装置であって,
(B)事業に使用されていないが前記第1ユーザが活用を希望する知的財産権を,前記第1ユーザが保有する1以上の知的財産権の中から特定し,当該知的財産権に関する公報の情報を, サーバによる第2情報及び第3情報の抽出の根拠となる情報を含む第1情報として,前記サーバに通知する公報通知手段と,
(C)前記サーバにおいて,
(C1)前記公報通知手段により通知された前記第1情報により特定される前記公報に含まれ得る第1書類の内容のうち,所定の文字,図形,記号,又はそれらの結合が,前記第2情報として抽出され,
(C2)当該公報に含まれ得る第2書類の内容のうち,抽出された前記第2情報と関連する文字,図形,記号又はそれらの結合が,前記第3情報として抽出され,
(C3)所定の文字,図形,記号,又はそれらの結合を第4情報として予め登録している複数の第2ユーザのうち,抽出された前記第3情報と関連のある第4情報を登録した者が,通知対象者として決定され,
(C4)当該通知対象者の端末に対して,当該知的財産権に関する情報が第5情報として通知され,
(C5)当該通知対象者の端末から,当該第5情報に関する当該知的財産権に対して当該通知対象者が興味を有する旨の第6情報が取得されて,
(C6)当該第6情報に基づいて,前記複数の第2ユーザの中に当該知的財産権に興味を有する者が存在することを少なくとも示す情報であって,が,第7情報として生成され,
(C7)前記情報処理装置により当該知的財産権に関する公報の前記第1情報がサーバに通知された結果として生成され,た当該第7情報が,当該情報処理装置に送信された場合において,
(D)当該第7サーバから情報処理装置に送信された情報を受付ける受付手段と,
(E)を備える情報処理装置。
ア…上記⑷で説示したとおり,構成要件(C)及び(C1)ないし(C7)はサーバの処理を特定するものであって情報処理装置の機能を特定するものではないから,本件補正後発明を特定する事項には含まれない。
イ…しかしながら,本件補正後発明における情報処理装置とサーバからなるシステムでは,情報処理装置の機能は,単に,サーバに「公報の情報」(第1情報)を送信し,サーバから「知的財産権に興味を有する者が存在することを少なくとも示す情報」(第7情報)を受信するという機能に留まるものであって,サーバに対して情報を送受信する機能を有する情報処理装置であればどのような情報処理装置であってもよいから,サーバに対して専用される特定の情報処理装置とみなすことはできない。また,本願明細書等には,情報処理装置が種々の情報の中から第7情報を選択して認識する等の技術事項は開示されておらず,情報処理装置はサーバから送信された情報を単に第7情報として受け付けるものにすぎないと解されるから,原告の上記主張は本願明細書等に開示された技術事項に基づくものではなく,採用することができない。
ウ…しかしながら,第1情報を送信するという送信処理自体は,かかる第1情報からどのようにして第2情報及び第3情報を抽出するのか,その抽出方法を規定するものではないから,情報処理装置の「公報通知手段」は,技術的には,知的財産権に関する公報の情報をサーバに送信するものにすぎないというべきである。また,第7情報は知的財産権に興味を有する者の情報であるところ,本件補正後発明の構成要件(C5)及び(C6)によれば,事業者による選択結果という事業者の自由な意思に基づいた人為的な情報にすぎないものであって,第1情報と関連するものの第1情報から「生成された」情報ではない。さらに,情報処理装置の「受付手段」は,サーバから上記第7情報を受け付けるものの,これは単に情報の受信にすぎないものであって,情報処理装置の側に,当該第7情報を受け付けるための特別の構成を有するものでもない。
してみると,上記⑵ないし⑸で検討したとおり,本件補正後発明の「公報通知手段」は,単に「知的財産に関する公報の情報」をサーバに通知するものにすぎず,本件補正後発明の「受付手段」は「知的財産権に興味を有する者が存在することを少なくとも示す情報」を受け付けるものにすぎないというべきであり,本件審決が「公報通知手段」及び「受付手段」につき,それぞれ(B')及び(D')のとおり認定したことに誤りはない。
検討
(1)本願発明の要旨認定において、情報処理装置(端末)が受信するのは、単に「サーバからの(任意の)情報」といったものではなく、「知的財産権に興味を有する者が存在することを少なくとも示す情報であって,情報処理装置により当該知的財産権に関する公報の情報がサーバに通知された結果として生成され,サーバから情報処理装置に送信された情報」とされた。
端末としては、単にサーバからの情報を受信するだけであって、どのような情報を受信するかは端末の構成とは無関係とも考えられるが、本判決によれば受信する情報の内容により端末の構成を特定できるということだと思われる。
本事件では、公知例に「譲渡許諾情報登録端末30を用いて,自身が保有する知的財産権の文献情報を知的財産情報提供サーバ10に送信し」「知的財産情報提供サーバ10は,…その譲受又は実施(使用)を希望する利用希望者の個人情報を…を含む画面情報を作成し,この作成した画面情報を…譲渡許諾情報登録端末30に送信する」といった開示があったため、「知的財産権に興味を有する者が存在することを少なくとも示す情報であって,情報処理装置により当該知的財産権に関する公報の情報がサーバに通知された結果として生成され,サーバから情報処理装置に送信された情報」を受信することは相違点にならなかったが、公知例にそのような開示がなければ、受信する情報の内容によって特許化できた可能性があったということであろう。
なお、特許化できたとすると、技術的範囲に含まれるか否かの判断にはサーバの構成要件も考慮されるのであろうか(そうだとすると、発明の要旨と技術的範囲が一致しないことになるが)。
(2)審査基準
第III部 第2章 第4節 特定の表現を有する請求項等についての取扱い
4. サブコンビネーションの発明を「他のサブコンビネーション」に関する事項を用いて特定しようとする記載がある場合
「サブコンビネーションとは、二以上の装置を組み合わせてなる全体装置の発明、二以上の工程を組み合わせてなる製造方法の発明等(以上をコンビネーションという。)に対し、組み合わされる各装置の発明、各工程の発明等をいう。」
4.1.1 「他のサブコンビネーション」に関する事項が請求項に係るサブコンビネーションの発明の構造、機能等を特定していると把握される場合
「この場合は、審査官は、請求項に係るサブコンビネーションの発明を、そのような構造、機能等を有するものと認定する。」
4.1.2 「他のサブコンビネーション」に関する事項が、「他のサブコンビネーション」のみを特定する事項であって、請求項に係るサブコンビネーションの発明の構造、機能等を何ら特定していない場合
「この場合は、審査官は、「他のサブコンビネーション」に関する事項は、請求項に係るサブコンビネーションの発明を特定するための意味を有しないものとして発明を認定する。」
4.2.1 請求項中に記載された「他のサブコンビネーション」に関する事項がサブコンビネーションの発明の構造、機能等を特定していると把握される場合
「サブコンビネーションの発明と、引用発明との間に相違点があるときには、審査官は、このサブコンビネーションの発明が新規性を有しているものと判断する。」
4.2.2 請求項中に記載された「他のサブコンビネーション」に関する事項がサブコンビネーションの発明の構造、機能等を何ら特定していない場合
「この場合は、「他のサブコンビネーション」に関する事項と、引用発明特定事項とに記載上、表現上の相違が生じていても、他に相違点がなければ、サブコンビネーションの発明と引用発明との間で、構造、機能等に差異は生じない。
したがって、審査官は、このサブコンビネーションの発明が新規性を有していないと判断する。」
➡「サブコンビネーション発明」の定義を含め、本判決は審査基準で示される考えと合致していると思われる。
(2)サブコンビネーション発明の新規性・進歩性を判断した裁判例
ア 「液体インク収納容器」事件(知財高裁平成22年(行ケ)第10056号)
【請求項1】
「複数の液体インク収納容器を搭載して移動するキャリッジと,
該液体インク収納容器に備えられる接点と電気的に接続可能な装置側接点と,
前記キャリッジの移動により対向する前記液体インク収納容器が入れ替わるように配置され 前記液体インク収納容器の発光部からの光を受光する位置検出用の受光手段を一つ備え,該受光手段で該光を受光することによって前記液体インク収納容器の搭載位置を検出する液体インク収納容器位置検出手段と,
搭載される液体インク収納容器それぞれの前記接点と接続する前記装置側接点に対して共通に電気的接続し色情報に係る信号を発生するための配線を有した電気回路とを有し,
前記キャリッジの位置に応じて特定されたインク色の前記液体インク収納容器の前記発光部を光らせ,その光の受光結果に基づき前記液体インク収納容器位置検出手段は前記液体インク収納容器の搭載位置を検出する 記録装置の前記キャリッジに対して 着脱可能な液体インク収納容器において,
前記装置側接点と電気的に接続可能な前記接点と,
少なくとも液体インク収納容器のインク色を示す色情報を保持可能な情報保持部と,
前記受光手段に投光するための光を発光する前記発光部と,
前記接点から入力される前記色情報に係る信号と,前記情報保持部の保持する前記色情報とに応じて前記発光部の発光を制御する制御部と,
を有することを特徴とする 液体インク収納容器。」
したがって、本件発明1の容易想到性を検討するに当たり、記録装置の存在を除外して検討するのは誤りであり、相違点2における「前記受光手段に投光するための」との限定は、液体インク収納容器の発光部の構成を限定するものであるということができ、これに反する相違点2についての審決の判断には誤りがある。
【請求項9(特許発明1)】
「ごみ貯蔵機器の上部に設けられた小室内に回転可能に据え付けるためのごみ貯蔵カセットであって,
前記ごみ貯蔵カセットは,
略円柱状のコアを画定する内側壁と,
外側壁と,
前記内側壁と前記外側壁との間に設けられたごみ貯蔵袋織りを入れる貯蔵部と,
前記ごみ貯蔵カセットを支持し且つ回転させるために,前記外側壁に設けられ,前記外側壁から突出し,前記小室内に設けられたごみ貯蔵カセット回転装置と係合するように備えられた構成と,を有し,
前記ごみ貯蔵カセット回転装置から吊り下げられるように構成された,ごみ貯蔵カセット。」
【請求項6】(サーバ、進歩性あり)
ゲームに参加する複数のチームを確定する第1手段と、
各チームのチームレベルを考慮して、各グループの実力ができるだけ等しくなるよう、確定したチームを複数のグループに振り分ける第2手段と、
各グループに振り分けられた各チームを別のグループに振り分けられたチームのいずれかとマッチングする第3手段と、
マッチングされたチーム同士の対戦ゲームを制御する第4手段と、を備える、ゲーム制御装置。
【請求項12】(端末、進歩性なし)
プレイヤが所属する第1チームのチームレベルを考慮して、各グループの実力ができるだけ等しくなるよう、前記第1チームが振り分けられた第1グループを示す情報を受信する第1手段と、
前記第1グループとは別の第2グループに振り分けられた第2チームであって、前記第1チームとマッチングされた第2チームを示す情報を受信する第2手段と、
前記第1チームと前記第2チームとの対戦ゲームを表示させる第3手段と、を備える、端末装置。
「本願発明8の「プレイヤが所属する第1チームのチームレベルを考慮して、各グループの実力ができるだけ等しくなるよう」「振り分け」ること、及び、「第2チーム」が「前記第1グループとは別の第2グループに振り分けら」れることは、明細書の記載を参照すると「端末装置1」ではなく「サーバ2」に実行させるプログラムの機能であって、「端末装置1」に実行させるプログラムの機能を何ら特定するものではない。
